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神渡り

薄く雪刷く街は
密やかに糸めぐらせて
肌切る風の中を
神様が通る。

風月、花鳥と共に流る

心を抱え込んだまま

表現できずにいる者の思い

それを彼方から望遠鏡で覗き込む者は

天使か悪魔か

散り急いだ運命 咲き誇った虚栄

見せなかった涙 ある日

出て行ったまま戻らなかった私の猫

So so

そっとしといて
そっと
うわーっとじゃなくて いいの

たくさんのお菓子も
たくさんのよろこびもお金も
それはそれで
いいものかもね

でも
いまは

そっと
貴方をみていたいと思う
そっと
時折ゆれうごく
貴方のうつろい 
見ているから

イザナミ

迦具土神(カグツチ)産みて病重く
この世を去ったイザナミは
出雲と伯耆の間 比婆の山に葬られ

黄泉の比良坂イザナギが
あきらめきれずに
逢い求め

拒絶されてつのる思い
灯りをともして見る過ち
「うじ たかれ ころろきて」
書紀には 膿が流れ、蛆がわく。

未熟

電車にも乗ったことがない女の子が
「嗚呼 なんて世界は狭いのかしら」と歌ったの

(こんな馬鹿なことってある?)

階段を上るそんな途中

あなたがニッコリ私を見て笑った

春になると別れが春になると出会いが

階段を上っているときにずっとある

辛いときも笑顔で

さあ うらら

階段を上る途中だけど

私は泣き顔は見せたくないかな

春になるとうららな日よりだけど

辛いときも笑顔で

君の代役

今の気持ちを例えるなら

「腕を失くしたピアニスト」 「足を失くしたマラソン選手」

でもこの表現は少し違う

好きなことができないように 

愛する君が消えてしまった僕は 悲しみに暮れている

けれど

シチュー

ゴロゴロと
ベッドの上で寝転がりながら
ペラペラとマンガのページをめくる君

いそいそと
部屋中の掃除をしながらも
ぐるぐると回る洗濯機

「今日の夕飯は何?」だなんて言うから
「私はあなたのお母さんじゃありません!」
なんてお尻を一叩き

君に会いに行く前の晩

Your voice

突き刺さる着信音
固形の異なものから
ぼくの耳奥へ

羽のようなここちする
まいおりてくるわ
雪景色がね
なぜか広がるんだよ

うすいぼやけた家のあかりが
ひどくちいさく見えてきてね

はやくここまで来い

ちかくても
まだ
会う日はとおい

作り話

 
 
傘のない世界で
きみに傘の話をしている
小さなバス停に並ぶ他の人たちも
そぼ降る雨に濡れて
皆寒そうにしている

ぼくは傘の話をする
その機能を
その形状を
その色や柄の種類を
まるで見たことがあるかのように

夢みたい、と言って
そんな夢みたいな作り話を

Thankful for your smile

Oh,サンキュー
ちらっとみせたその笑顔
なんかねウンぐっと来て すこし困った

わけは言えない

Oh,サンキュー
それだけ
いわせておくれ

いいわけは通じないもの だけどなんかね

ちょっといい
そういう微妙な具合さえ こんな日は 許してくれる

ずっと でも

社会的に役に立っているのかってそういうレベルの話をしたいんだ君と

愛していたい
一人でいたい
どうしていたい?

「我儘ね」ってそんな一言で片づけられないそんなもんじゃなくて
もっと根本的なものだよわかるだろう?

愛して痛い
一人で痛い
どうして痛い?

生きる意味だよそうだ君はどうして生きるんだい?

けんかしちった

冗談に慣れたはずだったのに本気にしちった自分があほじゃん

おとうとに一言いわれて凹む姉

まだ大人気ないなあと思いながら謝った後の空気が重い

重いというか暗いというか顔を合わすだけでも精一杯

こんなこと書いてることおとうとには内緒ね

言い表しにくいけんかしちった

グラップラーズ・カフェ

一杯の珈琲を淹れることに対して、多くの人はある種ロマンティックな風景を感じるに違いない

そう、あの黒のハンチング帽と真っ白なワイシャツに身を包んだ家庭的好青年が穏やかな笑みを湛えてポットを動かす光景だ

さよなら


誰もいない教室
私はその時写真を撮った

放課後の教室を
私は撮った

今撮った写真は明日になったら思い出になるのだろうかと
なにかこの教室でつくった思い出を思い出すのだろうかと

小さく笑って撮るのをやめ、

いつもいた教室を去った

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