後輪が ガチャンと言う
奇妙な音を発した
その後 その後輪は安定を欠き
左右に大きく揺れ始めた
僕はいったんこぐのを止め
後輪に目をやる
特に何かが絡まっているわけでもない
僕は再び走り出す
そして ほんの10メートルほど進んだとき…
バシュッという音と共に
後輪は激しく揺れ 自転車は安定を失い
僕は自転車ごと 通り沿いの植え込みに突っ込んだ
「パンクかよ…」
後輪に触れてみると タイヤは完全に空気を失い
内部の車輪が骨のような硬さを指に伝える
我が家まで あと100メートル
「一気にこいでやる」
無謀な計画が 僕の頭にひらめき
冷静さを失った頭は 名案としてこれを受け入れた
後輪の悲鳴を聞きながら 僕は自転車を懸命にこぐ
その瞬間
バチン
何かがちぎれる音と共に 左のブレーキが利かなくなった
僕は自転車ごと 通り沿いのブロック塀に激突した
「ブレーキが…切れた…」
左のブレーキにつながっているはずの線が
宙を彷徨っていた
こうして7年間使い込んだ我が愛車は
最期を迎えた
回収業者への引渡しの時
そっとハンドルを握り
「今までありがとう。」
と感謝の言葉を送ると
その自転車の鈍い灰色が
一瞬 銀色に光ったように感じたのは
僕の気のせいだっただろうか
我が愛車よ
長い間 ありがとう…
そして
また逢う日まで








