クレーターだらけの僕の町に
箱舟がやってきたんだ。
木製の立派な箱舟だった。
とても大きな箱舟だった。
ごうんごうん。
ごうんごうん。
窓から色んな友達がのぞいていたんだ。
図鑑で見たことがあるやつもいた。
なぜだか、みんな怒った顔をしていた。
僕はピエロみたいにおどけて言ったんだ。
「久しぶり。僕も乗せてくれないか。」
そしたら
みんなは冷たい目をして言ったんだ。
「君はもういらない。」
箱舟は空に飛んでいった。
僕は泣きながら家に帰った。
クレーターだらけの町。
僕はまた一人ぼっち。
君を守るために
いらない友達を消していったんだ。
そしたら
君は言ったんだ。
「あなたがこわい。」
君は海に沈んでしまった。
赤い髪飾りを残して。
そして
僕は一人ぼっちになったんだ。
体裁を保つために
クレーターの真ん中に家を建てたんだ。
木製の立派な家だった。
とても大きな家だった。
毎日、ロッキングチェアーに揺られながら
コーヒーを飲んでたんだ。
そう、何もなかったかのように。
でも
もう限界なんだ。
ごめん。
ごめんよ。
僕の中からどす黒い水が溢れ出るんだ。
コーヒーを飲んでも飲んでも
止められないんだ。
僕は髪飾りを握りしめながら震えていた。
地平線の向こうから
大津波がやってくる。
ごうんごうん。
ごうんごうん。









素敵ですね
出だしに心引かれて読みました
とても素敵なうただと思いました
孤独と希望と愛が一緒になって
切なさをもたらすような感じですね
ありがとうございます☆
コメントありがとうございます☆
気に入っていただけて嬉しいです!
この詩は「ノアの箱舟」をイメージして書いてみました。
たくさんある未来のうちの1つ、
核戦争でボロボロになってしまった地球が舞台です。
大きな罪を犯してしまった人間は
箱舟に乗せてもらえないという悲しい結末でした。
「赤い髪飾り」は「独善的な愛」と「現在の私たちへの警告」
の象徴として登場させてみました。
『私たち人類は果たして箱舟に乗せてもらえるのだろうか?』
といったちょっと偉そうな詩を書いちゃいました☆