二十歳のあの日思った。
五年後には優しい夫と可愛い小さな我子と手をつないで
ポカポカ陽気の春、満開の桜のしたを歩いているだろうと。
悩んでいることなんて、笑い話になっているだろうって。
立派になったね~って、近所の人から言われてるだろうって。
今の私を見た。
何一つ納得できる自分がない。
夫も、子供も、ましてや桜を見る気持ちすらない。
二十五歳ってのが、若いなぁと感じてしまい、
もれなく「ため息」がバリューセットで付いてくる。
夢なんて漠然と言っていられない気がして、少しあった心のゆとりすら早春の風に吹き消されそうだ。
どこかで大切なポイントを見落としたのだろうか。
必死に生きてきたつもりだが、運命だと諦めるしかないのだろうか。
諦めた先に何があるのかと自分を蹴り起こし、冷たい水で顔を洗った。
夢や理想は持っていたい、それが何かとははっきり言えない自分がいるけれど。
そして残された寿命は確実に少なくなっているって事を実感できるようになった私はちょっとは成長したと小さな花をつけてあげたい。








