まるで他人であるかのように
水平線の先は
すっぱり裁断され
削除されていたから
だれも
マジョリティーの大陸に渡ることはできない
王国の
絶滅危惧種の
どこへも渡れない
鳥は
書物の火を潜って
南大門の往還から庫裏の方にまわり
常緑の
行間の竹林に
クチバシをひやし
緋色の尾羽をうちふるわせて
奥行きの
さらに奥へ
飛びさっていった
雲はきえても
鳴き声は
光を超えることができない
細やかな雨をふくんだ
ひかる風が
川筋を渡ってゆく
ぼくは
とても心細い
九月の鳥になって
緑濃い山の方へ飛んでいった








