肌寒い夜
コーヒーの香りが鼻をくすぐる
顔を上げると
ぼわんと電球の灯る喫茶店
仕事帰りに2人で来ては
閉店までお喋りしたっけ
本当はコーヒー苦手なんだけど
コーヒーを飲みながら夢を語る
君の無邪気な顔をずっと見ていたくて
言わなかった
君と過ごす時間は短くて
ずっと一緒にいたい
と言えない苦しさが
コーヒーの苦さと似ていて
君が微笑むたび
コーヒーをひとくち飲んだ
君がいなくなって
この喫茶店に入ることはなくなった
コーヒーの香りが心をくすぐる
甘い君の笑顔と苦いコーヒーをください








