詩の投稿サイト poecs

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童話の続き

 
 
言葉の近くで
酸素を見ています
午後に置き忘れた椅子から
ずり落ちているあれは
靴の始まり
裏側を覗くと
もう誰もいません

+

金歯の中に広がる曇り空を
飛行船が飛んで行きます
落ちないように
歯医者は泣き続けて
待合室のソファーの上を
男の子が素足で歩いています
 

+

立っているお巡りさんの影が
風にほどけています
帰らないことは忘れないこと
イルカの足跡を埋める音のそばで
まだ息をしています

+

鉢植えの底で
自分の名前を隠すと
水のように恥ずかしい
埋立地の荷捌場には
春より先にもう
人が来ています

+

水は水の中を流れていきます
太陽の光がゆっくりと反射して
椅子に座っていても
遠いところまで見渡せます
どうして手があるのか
その日はよくわからなかったのです

+

振り返ることなく
本の背表紙だけが
ゼリーのように並んでいます
雨上がりが合図でした
子どもたちは一斉に走り出し
青い陸橋を渡り終える頃には
雲の間から星の匂いがしてきます

+

深夜、童話は考えます
どぶ川に沿って行く
細長い貨物列車の続きを
眠っている人が輪郭を曖昧にするので
おさめようとするのですが
また溢れ出してしまいます
 
 

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