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砂浜の様な優しさはいらない
支えるだけの強さがないから

通夜

       1

喪服を着たおばさん四人
交差点を渡り、口々に話す。

一人は楽しげに
久しぶりねぇ
などと通夜であることを忘れ

一人は怒ったような顔をして
どうしてなんでしょうねぇ
などと宣う

一人は困ったような顔をして
なにも語らずに
下を向き俯いたまま黙っている

トワイライト

黒い子供たちが

ぴよぴよ鳴いてる。

西日の射した部屋の中で

ゆっくりと羽化する少年。

黄色い空は塩素の匂いがして

遠くでカラスが燃え尽きた。

枯れたタンポポの上を

蟻が歩いている。

少年は黒い羽を広げて

屋上から飛び立った。

 
 

くもりぞら

朝はもうすこし、晴れていたのに

すこしくもったようだ

緑につつまれた私が空に上る様子を

この、ながいながい時を一緒に過ごした君がみていたようでした

君は呼吸をしてるんでしょう

そんなことは気づいていました

私だけが聞こえるだろう君の声

猫(ね)― ここに 来い

妻と いっしょのとき
妻は 見つけて
妻は 突然

妻 用事
妻 猫に走る

走る 走る 走るうー ううう・・・
まっしぐらに 猫に

猫 妻に
猫(ね)― ここに 来い

猫 捕まえられた
猫 突然

抱きかかえられた
ほっほー 頬ずり も 
しますか にゃー

いっぽう

二つの果実

母なる樹木に育った二つ
有り触れた果実はすくすく育つ
愛を受け
恵みを受け
害悪に晒されながら
優しさに溺れながら
美味しい果実とお成り、お成りと
囁く声はいつしか
呪詛にしか聞こえなくなった

歪な本能を押し殺し
母の望む”マニュアル”で嗤う
樹が求める通りの果実…

夏に羽ばたくために

夏の陽射しは
僕にとっては とてつもないキラメキ
外に出るのを 頑なにためらう

向日葵の笑顔は
僕にとっては 嫌味な明るさ
鮮やかな黄色に 頭がくらくらする

でもこのまんま では だめ
立ち止まったままの僕は 若過ぎる

さようなら 桃色の季節
さようなら 緑の風

Simple

愛してるなら

その人を

他の誰よりも優先して

他の誰よりも喜ばせて

傷付けるようなこと

したり言ったりしなければいいの。

そういう風にあなたを愛し、
そういう風に私を愛した
あの日々をあなたは

覚えてる?

折角隣に座れたのにね

どんなに想いをこめても

地面より深い深い
マグマより熱い熱い

貴方の手
触れることすら叶わない

よるの駅

まっくろのなかに
ひとつのまる

遠くて丸く白くひかってみえる
むこうからこちらはみえていないようです

わたしは、むこうがわに
自分をしらせたくて
しらせたくて
しらせたくて
たまらない

そんなときはきまってこちらは
すんだ時間が流れています
もうさわれない
その美しさ

旋律

ジョンレノンのイマジンの曲を
聴いた事あるでしょ
どんなこと歌ってるか知ってるでしょ

今もヨーコ・オノが
ピースがインポータントと
叫んでるでしょ

梶井基次郎の檸檬の小説を
読んだことがありますか
村上春樹のノルウェイの森は
究極の純愛小説ですか

(こころが

How do you measure your time?

ぽっかりとあいたその時間
うまらなかった何かを
さらさらと砂のようにうめてくれる

からっぽになるのと
みたされることは どこか似ている
中途半端が一番燃費が悪い

ゆったりと流れる調べとともに
ゆっくりと満ちてくる時間

大切な一秒一秒だけど

こころのダム

わーっとみんなで騒がなくなった

大声をあげて顔を真っ赤にして
怒らなくなった

畳の上を転がりまわって
最後におなかを抱えて笑ったのは いつだろう

「大人になったということだよ」
誰かが言った

心が痛んで目に涙をためても
人前でそれは流さない

イライラするときも

「かきつばた」と「かぐや姫」

    悲しきは 君を想えど 月の宮に
 
          儚く消えし 珠の姫君

迷離

今はもう 君に届かぬ 我が想い
  
      行き場を失くし 彷徨い続く

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